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DQⅣ(リメイク版) 第五章で取得可能な称号の一つ。 条件は【勇者】のレベルが1で、【山奥の村】が襲撃を受ける前。
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目次 【概要】カテゴリー 詳細内側 外側 【参考】関連項目 タグ 最終更新日時 【概要】 カテゴリー 独自研究 思い付き 生活 詳細 内側 3歳児向けはオレンジ色一色。 5歳児向けにベージュ色一色。 暖色系一色にする。寒色系だと食欲が減退する。 ご飯粒が器に残ってることを分かりやすくして、躾しやすくする。 ご飯粒を残さないようになったら白色にする。 外側 キャラクターものやファンシーなデザインより、親と近いデザインでいいと思う。 好き嫌いは日頃から見聞きしているものに影響されていると思うので、読ませている本など次第で変わってくると思う。 【参考】 関連項目 項目名 関連度 備考 創作/幼い子供にとってのファンタジー ★★★ タグ 生活 最終更新日時 2013-02-22 冒頭へ
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スーパーの中を、買い物籠抱えて歩き回るミハエル 愛らしい西洋の少年な容姿を利用し、オマケしてもらう為に商店街で買い物する事が多いミハエルだが、どうしても商店街では揃わない物を買うためにスーパーに入ることだってある そのミハエルの傍には、いつものようにファザー・タイムが付き添っていた ファザー・タイムとしては、自分が買い物籠を持ってやりたいのだが、残念ながらそれを実行した場合、籠がひとりでに浮いていると言う怪奇現象として一般人の目には映ってしまう その気になれば人間の目に見える状態となる事もできるが、自分の外見でそれをやっても不審がられるだけだろう、とファザータイムは考えていた 自分の姿が、今の時代に即していない事はよくわかっている ……そして 今日、こうやって外を歩いているのは、買い物のためだけではない 「話があるそうだな」 「や、悪いね。直接会って話したほうがいいかって思ってさ」 す、と さり気なく近づいてきた黒髪の少年……黄に対して、ミハエルはにっこり、笑いかけた 周囲からは、たまたま友達同士がスーパーで遭遇した、程度にしか見えないように装う 何か、非現実的な話をしていたとしても、ゲームや漫画の話だと周囲は勘違いすることだろう このあたりは、子供の利点と言えるのかもしれない 「「大きな獲物」についてなんだけどさ………その中で、「餌」にしてもいいのっているかな?」 「餌?」 「そう。お腹空かせちゃってる子がいるから」 ミハエルのその言葉に、黄はすぐに察した 「人間を食べる存在」が、あの御方の配下の中にいるのだろう、と 中には、人間を食べなければ死んでしまう存在とて、都市伝説の中にはいるのだ あの御方の配下にそう言った存在がいたとしても、おかしくはない 以前にミハエルから聞いた話からすると「皓夜」とやらの事なのだろう 「…飢餓が進んでいるのか?」 「うん。ある程度、確保はしているつもりだけど………足りないみたい。この学校町でボクらが合流するまで、うまく食べてこれなかったみたいでさ。その分、足りてないんだと思う」 「……今のままでは、能力を全て発揮できぬし。そう遠くない未来、飢餓で命を落とすことになる」 こそり、ファザータイムが付け加える 死神であるファザータイムが言うのだから、餓死の危険性に関しては間違いない 「…なるほど。その腹をすかせている者は。あの御方の配下の中では重要な存在か?」 「うん。そうだよ。あの御方が「死なせないように」って言ってたんだから」 いつ頃から、皓夜があの御方の配下となったのかは、ミハエルとファザータイムも知らない ただ、自分達よりも前からあの御方の配下だった、と言うことだけは把握している そして、あの御方は言ったのだ 「皓夜を死なせてはならない」、と だから、皓夜を死なせる訳にはいかない その為に「餌」がいる 「そっちの上位メンバーの能力も、新たにわかった事あったら、出来る限り教えてよ。厄介な奴はヴィットに閉じ込めてもらうから」 「閉じ込める?」 「あぁ………仲間の能力で。一人だけ、と言う限定はあるが。閉じ込めて無力化できる。閉じ込められている間は、都市伝説能力も使えない」 「あの御方がいれば、誘惑してもらっておしまいだけど……」 「……まだ見つからないまま、か」 あの御方さえ見つかれば、「凍り付いた碧」のメンバーを全員、こちら側に引き込む事もできる だが、まだだ 未だに、あの御方は見つからない (ヴィットリオの能力では、一人を無力化するのが限界。「凍り付いた碧」の上位の者を全て捕らえるのは無理、か……だが、一人でも確保できれば、上々なのやかもしれんな) もっとも、まだ慎重に動くべきだ 皓夜の飢えを凌ぐ事 それが最重要課題であると、彼らはそう認識していた ……近々、鬼の飢餓は、ほんの少し、解消される事となるのだろう to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
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Top 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 閉鎖都市・「ゴミ箱の中の子供達」 第17話 ゴミ箱の中の子供達 第17話 まず小麦粉にベーキングパウダー、砂糖、塩を混ぜたものを粉ふるい器に入れる。レシピによると量は小麦粉が 250グラムに対し、ベーキングパウダーが大さじ1、砂糖が大さじ3、塩は少々。男性向けだから砂糖は少し少なくても いいかもしれない。思案した後、砂糖は2杯だけ入れた。粉を全てふるい器に入れたところでふるいを開始する。 粉ふるい器を叩くたびに中の粉がさらさらとボウルに落ちていく。特に何事もなく粉は全てボウルの中に落ちていった。 テーブルの奥に置いた端末の画面をスクロールさせ、レシピの続きを表示させる。次の作業工程を読む限り、 どうやらここからが正念場らしい。気を引き締めなければ。 冷蔵庫からあらかじめ小さく切っておいたバターを取り出すと、粉が入ったボウルに入れる。ここで小さく深呼吸。 呼吸が整ったら意を決し手をボウルにいれた。ボウルの中の粉とバターを一緒につかんだら粉を揉み込むようにして バターを指先で潰していく。冷蔵庫で冷やしてあっただけにバターが冷たい。バターが小さくなったら粉で手のひらを 洗うようにこすり合わせて粉にバターをすり込んでいく。バターを溶かさないように手早く、だけど粉全体に馴染む様に 丁寧にすり込んでいく。 レシピによるとこの工程はサブラージュと言うらしい。小麦粉をバターの油脂で包むことで、グルテンというものが 形成されるのを防ぐんだとか。どうやらこのグルテンというものがあるとおいしくならないみたいだ。 程なくボウルの中の粉全体が粉チーズのようにパサパサになった。レシピを確認するとこれでいいみたいだ。 小さく息をついた。 続いては牛乳と卵をボウルに入れて混ぜる。レシピを見ると、このとき粉っぽさがなくなるくらいでいいらしい。 粉をへらで切るようにしてさっと混ぜ込んでいく。しばらくすると粉っぽさがなくなり、ぼろぼろと崩れる塊ができ始めた。 これくらいでよさそうだ。 端末の画面をスクロールさせレシピの次を見る。生地をまとめてめん棒で薄く引き延ばした後、重ね合わせる。 これを3度繰り返す。内容を頭に叩き込むと、ボウルに視線を移した。まずは1つにまとめなくては。ボウルの中に 手を入れると、ボロボロと崩れる生地を押しつぶすようにして1つにまとめた。 次はめん棒で薄く延ばして折りたたむ。レシピを頭の中で反復しながらめん棒を取り出した。打ち粉を振るった まな板の上にボウルの中身を落とすと、めん棒で薄く延ばしていく。生地の厚さが1cm程になった。そろそろ 折りたたんだほうがいいかもしれない。めん棒を脇に置くと、生地を4つ折にした。あと2回。再度めん棒を手に、 生地を薄く引き延ばしにかかった。 程なくして折りたたむ作業工程は終了した。次の作業を確認すべく端末の画面をスクロールさせる。2cm程の 厚さに延ばしたら好きな形の型で抜いていく。レシピの指示通り再度生地を延ばすと、型抜きに入った。 型はすでに丸型を用意してあった。1つ1つ丁寧に型を抜いていくと、クッキングシートを敷いたオーブンの天板に 乗せていく。 表面に牛乳を塗ったら、200度に予熱したオーブンで20分焼く。レシピはこれで最後のようだ。丸く型抜きされた 生地の上に、指示通り刷毛で牛乳を塗っていく。オーブンは既に十分に予熱してあった。天板を入れて扉を閉じると タイマーを設定。レシピと同じ時間に合わせるとスタートボタンを押した。 オーブンの耐熱ガラスの向こうが赤く光る。電気ヒーターに照らされる生地を見つめながら祈った。美味しく焼きあがりますように。 休日の孤児院は一層賑やかだ。前庭では普段より数を増した弟たちを相手にアレックスが苦心している。学校から 解放された少年たちの有り余る力の前には流石のアレックスも押され気味だ。 「あ、取られた」 イレアナとともに前庭の喧騒を眺めていたゲオルグは、アレックスの失態に思わず声を上げた。アレックスが蹴り上げた ボールは横合いからの足先に弾かれ、アレックスの傍を離れていく。悔しそうに地団太を踏むアレックスに対し、見事な 足捌きを見せた少年は誇らしそうに胸を張っている。ふとゲオルグは思った。あの少年、さっきもアレックスからボールを 奪っていなかっただろうか。 「あいつ、アレックスから2回もボールを奪うとはやるじゃないか」 「あの子はサッカーが好きだもの。学校でもサッカークラブに入っているそうよ」 道理で。イレアナの説明にゲオルグはほくそ笑む。あのアレックスの手を焼かせるのだから才能は本物だろう。ゆくゆくは プロリーガーかもしれぬ。華々しい弟の将来を夢見て、ゲオルグは心が躍るのだった。 賑やかなのは前庭だけでなくゲオルグ達のいる食堂も同じだった。食堂に並ぶテーブルのそこかしこではハイティーンの 子供達がたわいもない話に花を咲かせている。壁際では机に腰掛けた男達がどこのバンドのドラムが最高か議論を交わし、 また日差しが差し込む暖かそうな窓辺では女性陣が紅茶を手にドラマの若い俳優の魅力について語り合っている。 そしてカウンターを挟んで隣の厨房からも楽しげな声が聞こえた。 時とともに規模を増していく孤児院に厨房の能力が追いつけなくなって久しい今、孤児院の食事は外部の給食センターが 担っている。役目を失い閉鎖されるはずだった厨房は孤児院の料理好きの子供達により維持され、料理教室へと姿を変えた。 かくして厨房ではパティシエを志す子供達による菓子作りや、花嫁修業のための手料理教室、食の道を究めんとする者達の 怪しい創作料理の場として週末ごとに賑わいを見せている。 ふと仄かにトウモロコシの匂いがゲオルグの鼻をくすぐった。これはママリガだろうか。ママリガは粗挽きしたトウモロコシの粉を 熱湯で練り上げた食べ物だ。かつて厨房が孤児院の食を一手に引き受けていたころは、付け合せとして毎食のように食べていた。 1人立ちした最近は商店で手軽に買える利便性からパン食の日々だが、あのトウモロコシの香りが懐かしくて、食欲をそそる。 「お腹空いた?」 心情を見透かしたように、イレアナがゲオルグの顔を覗き込む。胸中をずばり言い当てられたゲオルグは恥ずかしさのあまり 顔をそらすと、慌ててイレアナの言葉を打ち消した。 「いいや、別に」 「はいはい。そうそう、このビスケット、シモナお姉ちゃん達が作ったの。ゲオルグもよかったら食べたら」 可笑しそうに微笑むイレアナは思い出したようにテーブルの脇に置かれていた籠をゲオルグの前に滑らした。白いプラスチック製の 籠の中には、表面にゴマを散らしたビスケットが並べられている。姉に見透かされた空腹感を否定した手前、そう易々と手を出すわけには 行かない。だが、不満そうに声を上げる腹は正直だ。プライドと欲望との板ばさみ。結果は欲望が勝った。かくしてゲオルグは 眉間にしわを刻みながらビスケットに手を伸ばした。そのまま1口かじる。口いっぱいに広がるゴマの風味。これは美味い。 思わず鼻を鳴らしたゲオルグの眉間からは、たちまち皺が消えていった。 しばらくゲオルグはイレアナとともにビスケットをかじっていた。ビスケットそのものは文句なしの出来だ。だが、ふと思うところがあり、 ゲオルグは再度眉間に皺を作った。 菓子作りが行われているせいか、今日はどこにでもお菓子がおいてある。これでは、自分が持ってきたケーキは邪魔だったか。 むう、と思わずゲオルグはうなり声を漏らす。 「どうしたの」 目の前で苦悶されては流石に黙っていられないらしい。不安げな面持ちでイレアナがたずねてきた。 「いや、俺が持ってきたケーキだが、もしかしたら邪魔だったかと思ってな」 「そんなことないわよ。皆感謝してるわ」 ゲオルグの言葉を打ち消して、イレアナはにっこりと微笑む。その笑顔に、ゲオルグはなんだか救われた気がした。 「それに、今日は普段食べれない子も食べられるもの」 それは一理あるかも知れぬ、とゲオルグは考える。普段は世間一般で言う平日であるため、学校のある年長組は必然的に 食べそびれている。年少組が手作りのビスケット等で腹を満たしている今日ならば、普段は食べることのできない年長組も 機会があるわけだ。 「なら、いいんだがな」 安心した風に微笑んで、ゲオルグは紅茶に口をつける。イレアナの、絶対そうよ、という後押しが、ゲオルグには嬉しかった。 「そういえば、この前の演劇、楽しかったね」 ゲオルグのつまらぬ憂いが一段楽したところで、イレアナが新たな話題を切り出した。イレアナはつい先日孤児院で行われた 有志による演劇の余韻がまだ取れていないようだ。。 「確かにな。とくに"やりたいことリスト"の消化方法は秀逸だった」 突然の事故で友人を失ったアスカとオトハは喪失感のあまり死を決意する。死が目前に迫ったからこそ彼女達は "やりたいことリスト"をつくり、死までの1年間精一杯生きる。というのが演劇のストーリーだ。リストアップされたやりたいことは たわいもないものもあれば、破天荒なものもある。リストを1つ1つ潰していく過程の寸劇には何度も笑わされた。だが、 最大の見所は最後の項目、愛の告白、だろう。想い人を事故で失い、実行は不可能だと思われるのだが、ここで それまでの伏線が次々に回収されていき、物語はクライマックスを迎えるのだ。そしてここから怒涛の勢いで感動的な ラストシーンへと進んでいく。最後の灯台での2人の会話にはゲオルグも目頭が熱くなった 「最後の灯台での2人の会話、よかったねえ」 「ああ、そうだな」 遠い目をするイレアナに適当な返事を返しながら、ゲオルグは別のことについて考え始めていた。孤児院で演劇を行った 有志の1人、クラウス・ブライトのことだ。 演劇の後、食堂で茶会を楽しんでいるとき、彼は自身の身の上について語り始めた。最初に彼が切り出した話は、 自分が告死天使だということの告白だった。もっとも、ゲオルグにはそんなことどうでもよかった。心の内で彼を 虚言癖を持つ男とレッテル張りしたゲオルグは、そんな心情をおくびにも出さない持ち前の鉄面で彼の告白を受け流した。 重要なのはその後だ。彼は酒場を営んでいた自分の父がマフィアの抗争に巻き込まれて死んだと語った。死の時期や、 酒場の場所を鑑みるに、ゲオルグは思う。クラウスの父の殺害を指揮したのは俺だと。 復讐者の存在などとうに承知していた。ベッドの上で死ぬなどという幻想はとうの昔に投げ捨てた。自分が放った銃弾は いつか必ず我が身に帰ってくると常に自分に言い聞かせてきた。だが、それでもゲオルグは当惑せざるを得ない。向こうは 知らないとはいえ、復讐者が友好な存在だからだ。これも神の試練か。苦笑い1つ浮かべてゲオルグは紅茶をすする。 殺される覚悟はある。だがむざむざ復讐されるつもりはなかった。可愛い弟妹を放っておくわけにはいかないからだ。 ゲオルグは考える。さて、復讐を企むクラウスに自分は何をすればいいのだろうか。すっぽりとはまり込んだ殺し合いの 泥沼で、自分はどのようにあがけばいいのか。 殺すか。 短い思索の末の結論は天啓的な閃きをもってゲオルグの脳内を占拠していく。 そうだ、殺せばいいのだ。殺せば、復讐の恐怖から開放される。クラウスに己の罪過を暴かれることに怯えずに済む。 友人に隠し事をする苦悩もなくなる。全ての問題がたちどころに解決される。これほどの解答がどこにあろうか。 泥沼の更なる深みへはまり込んでいないか。己の良心が理論武装して究極の解法に異を唱える。健気にも 立ち上がったゲオルグの良心はゲオルグの中の修羅によりすぐさまねじ伏せられる。既に自分の手のひらは 血で真っ赤だ。いまさら綺麗事などあるものか。 「お兄ちゃん」 不意に声をかけられ、ゲオルグははっとして顔を上げた。 視界に飛び込んできたのは、肩まで伸びたゆるいウェーブの茶髪に、そばかすの少女の顔。モニカだ。何事かとゲオルグが 当惑していると、モニカは両手で持っていた籠をゲオルグの目の前に差し出した。中には膨らんだクッキーのようなものが入っている。 「スコーン作ったんだけど、1つどう?」 「ん、ああ、ありがとう」 籠の中身はどうやらスコーンらしい。ゲオルグは礼を言うと籠の中に手を伸ばした。焼き立てだろうか、手に取ったスコーンは 仄かに熱を帯びている。かじる。美味い。口に広がる甘みを租借しながら、ゲオルグは再度思索に入った。 思考を仕切りなおしたせいだろうか、殺人の魅力がどこかか色あせている。これを好機とばかりにゲオルグはクラウス殺害について 再考した。 これまで自分は数え切れぬほどの人を殺してきた。では自分はニュースでたびたび現れる殺人鬼と同類の存在なのか。 否。提示された問題をゲオルグはすぐさま否定する。その理由として、ゲオルグには自負があった。自分は決して自分のための 殺しをしていない。これまで自分が行ってきた殺人は、全て"偉大な父"のため、ひいては巡り巡って弟妹達のためだった。 これこそが、己の欲望に振り回されて他者を踏みにじる殺人鬼との大きな違いだ。 そこまで考えたところでゲオルグは思考を進展させる。では、クラウス殺害はいったい誰のためだろうか。これは家族のためだろうか。 ……分からない。 家族のためなのか、と頭の中で問題を提起するが、その後が続かない。言葉にできない思考は印象に近い形でか細い声を上げる。 違うんじゃないかな。違うのか、と言葉にした時には声を上げた印象は既に身を隠しており、後には後ろ盾を失い申し訳なさそうに 佇む言葉だけが残る。これではどうにも判別がつかない。 しばし1人で悩んでいると、不意に横合いから、ゲオルグ、と声をかけられた。顔を上げると、声の主であるイレアナは黙って ゲオルグの正面へ指を指す。姉の動作に釈然としないながらもゲオルグは指示通り前を向いた。ゲオルグの真正面では、 先ほどスコーンをくれたモニカが、どういうわけか不安げな面持ちでこちらを見ていた。 「ん、モニカ、どうかしたのか?」 「あの、お兄ちゃん、スコーンの味、どうだったかな?」 ゲオルグの言葉に、モニカは籠を持つ手の人差し指だけ立てて、おずおずとゲオルグの手の内のスコーンを指差す。 「味、ああ、美味かったが」 味を確かめるようにゲオルグはスコーンをかじった。さくさくした食感のスコーンは控えめな甘みが小麦の風味を引き出していて、 素朴ながら実に美味だ。 「そう、よかった。そうそう、お姉ちゃんも1つどう?」 「ありがとう、いただくわ」 ゲオルグのモニカは言葉に安堵したかのように笑うと、手に提げていた籠をイレアナに差し出した。丁寧に礼の言葉を述べた イレアナがスコーンを受け取ると、モニカは踵を返して窓際で歓談している女性グループの方へ向かっていった。同じように スコーンを配って回るようだ。 モニカの背中を見送りながらスコーンの残りを口に放り込んだところで、また横からゲオルグと呼ばれた。今度はなんだろうか。 顔を向けると、中指を折り曲げた手が眼前に突きつけられて――こつん。眉間を貫く軽い衝撃。でこピンだった。不意を打たれ 驚くゲオルグをよそに、イレアナは椅子に座りなおすと言った。 「感想はすぐに言うこと」 憤慨した風に言う姉の言葉に、ゲオルグは目を白黒させる。確かに、スコーンの感想を言うのは遅れたが、ここまで怒られる 必要があるのだろうか。……あるのだろうな。ぴしゃりと言った姉の台詞に反論の余地はない。理解は未だ追いついていないが、 その必要性を認めたゲオルグはしゅんと肩を落として、はい、と呟いた。 「よろしい。でもどうしたの? 考え事?」 「まあ、な」 この孤児院によくしてくれているクラウスを殺すつもりだった、などとは口が裂けても言える筈がない。適当に言葉を濁して、 ゲオルグは視線をそらす。 「ねえ、ゲオルグ」 遠慮がちにイレアナがゲオルグを呼んだ。いつになく控えめな口調に、ゲオルグは気になって視線を姉に向けた。 「ゲオルグがよく考えて出した答えなら、お姉ちゃんはそれについていくからね」 丁寧に紡がれたイレアナの言葉が、ゲオルグの臓腑に突き刺さる。この人はどこまで見通しているのか。驚愕と畏怖が 入り乱れた感情が、ゲオルグの喉を詰まらせる。ゲオルグが言葉を失い生まれた一瞬の間を、イレアナはただ黙って 目を伏せている。 演技をしろ。狼狽する思考は停止寸前のところで持ち直し、ゲオルグに指令を送る。問題は些細な事象に過ぎないという 演技をしろ。ゲオルグは己の思考に言われるがまま、わざとらしく頭をふった。 「……何を言い出すかと思えば。これは姉さんには関係のないことだ。気にしなくていい」 これは"子供達"とクラウスとの問題だ。孤児院とは関係のないことだ。自分に言い聞かすようにゲオルグは自分が発した 言葉を頭の中で繰り返す。 そう。イレアナはそう呟いてそれっきり押し黙る。降りしきる沈黙が気まずくてゲオルグは紅茶をすすった。 とりあえずクラウスについては、しばらく静観しよう。そう易々とばれるようなものでもあるまい。下手に動いて尻尾を出すよりは ましだろう。もしばれてしまったら。考えたくないが考えねばならない。もし自分の正体がクラウスにばれたならば、腹を決めるしか あるまい。降りかかる火の粉は払わねばならない。彼には死んでもらう。 前庭で遊ぶ子供達を眺めながらゲオルグは祈った。どうかあの兄妹が志半ばで果てんことを。 ページ最上部へ
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ジャンル/RPG 2018/11 公式サイト http //andymente.moo.jp/html/game/app/evening_park/index.html 攻略Wiki https //wikiwiki.jp/evening-park/ 作品紹介 登場人物 関連タイトル 『イブニングパークと子供達の階差 Original Sound Track』
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Top 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 閉鎖都市・「ゴミ箱の中の子供達」 第16話 ゴミ箱の中の子供達 第16話 「ごめんなさいね、ゲオルグ」 すまなさそうに謝る姉のイレアナの姿に、ゲオルグは脱力の息を吐いていた。 姉が倒れたという急報に急いで駆けつけてみれば、姉は自室のベッドの上で穏やかに微笑んでいた。話を 聞くと、どうやら風邪か何かで熱を出し、それでも無理に体を動かそうとしてめまいを起こしたらしい。大事で なかったことの安堵と、心配が肩透かしで終わったことによる脱力が、ゲオルグに一際大きなため息をつかせた。 もっとも、姉のいくらか上気した顔に、テンポが遅れた受け答えと、体調が悪いことには変わりなさそうだった。 「今日はしっかりと体を休めること」 「分かったわ」 イレアナが微笑みながらの頷きに、ゲオルグは笑みを返す。 イレアナとのやり取りを終えたところで、ゲオルグは脇から声をかけられた。声の主はゲオルグをここに呼び出した 張本人であるエリナ院長だ。 「ちょっといいかい、ゲオルグ」 いったい何だろうか、とゲオルグが視線を向けると、院長は申し訳なさそうに話を続けた。 「イレアナが倒れて手が足りないんだよ。孤児院の仕事を手伝っちゃもらえんかね」 孤児院の手伝いを院長は願い出る。なんだそんなことが、と考えていたゲオルグに拒否する理由はなかった。 「ああ、構わないが」 特に深く考えることもなくゲオルグは手伝いを引き受ける。だが、承諾の言葉を最後まで言い終えたところで ゲオルグははたと気づいた。俺、夜勤明けだ、と。現在の疲れ具合から、ゲオルグは自分の体力の限界を演算する。 計算結果は、そう長くはもたな――いいや、大丈夫だ。芳しくない推測を、ゲオルグは慌てて打ち消した。すでに 承諾してしまった手前、後には引けないというのもあったが、もっと厳しい状態に耐え抜いた経験がゲオルグの 楽観論を後押しした。"子供達"の教育隊にいたころを思い出せ、とゲオルグは過去を思い返す。半年に及ぶ 新兵教育の総仕上げに行った100km行軍と総合攻撃演習、あれは辛かった。重い装備を背負って丸2日都市西部の 丘陵地帯を輪を描くように歩き続け、へとへとになったところで教官相手に戦闘演習だ。100km行軍の方は足にできた 豆が潰れて、後半は一歩踏み出す度に涙が滲み出た。総合攻撃演習にいたっては記憶は殆ど定かではない。ただ、 やけっぱちになって、大声を張り上げながら無我夢中で突撃したことを覚えている。これに比べれば、夜勤明けで ここの手伝いなど取るに足らないのだ。そう自分に言い聞かせて、ゲオルグは己を奮起させた。 「じゃあ、いってくるよ」 「いってらっしゃい、ゲオルグ。でも無理だけはしないでね」 ゲオルグを見送る姉の眼差しは、どういうわけかどこか心配そうだった。 屋上の扉を開ける。太陽光がゲオルグの徹夜明けの目を刺した。吹き抜ける風は清涼感に満ちていて心地いい。 屋上のコンクリートの床面に抱えていた洗濯籠をおろすと、ゲオルグは手で影を作りながら空を見上げた。視界全体を 突き抜けるような青が覆う。雲ひとつない陽気。絶好の洗濯日和だ。沸き起こる開放感にゲオルグは体を伸ばして 関節を鳴らした。 姉の代わりとして孤児院の仕事を手伝うことになったゲオルグに割り振られた仕事は洗濯物だった。たかが 洗濯といえど、孤児院全体になるため、なかなかの量になる。洗濯機から取り出したばかりの湿った洗濯物を 屋上に運ぶのも、1つや2つなら楽なのだが、実際は輸送を待つ籠が後4つ、稼働中の洗濯機がさらに4つある。 全体を考えると結構な大仕事だ。 さてやるか、と己を張り切らせるように呟くと、ゲオルグは洗濯物とともに持ってきた洗濯紐を持ち上げた。 屋上に立てられたポールに手際よく洗濯紐を渡していく。全ての洗濯紐を張り巡らせると、ゲオルグは洗濯籠に 詰まった洗濯物に手をつけた。軽く払って皺を伸ばすと洗濯ばさみを使って一つずつ紐にかけていく。 混在する洗濯物をシャツはシャツ、タオルはタオルとご丁寧に紐ごとに仕分けていくのは中々楽しいものだ。 洗濯する紐に下がったシャツやタオルが風に吹かれてはためく音も、味わい深い。仕事の中に楽しさを見つけ、 上機嫌で洗濯物を干していると、不意に背後の屋上の扉が開く音がした。振り返ってみれば2人の少女が こちらに向かって駆けていた。 「ローゼにクララ、どうした」 ゲオルグの前で止まったローゼとクララは、大きな瞳でゲオルグを見上げると言った。 「ゲオルグお兄ちゃん、干すの手伝うよ」 「てつだうよ」 思っても見なかった支援要請に、ゲオルグの頬はついつい緩んでしまう。期待できらきらと輝くこの眼差しで 見上げられて拒絶などできるものか。 「手伝ってくれるのか。ありがとう。」 穏やかに微笑んで、ゲオルグは小さな助っ人2人を受け入れた。 では、何を頼もうか、とゲオルグが考えようとしたところで、ローゼとクララは洗濯籠に向かって駆け出した。 洗濯籠に取り付いた彼女達は中に詰まった洗濯物をそろって掘り返し始める。やがてローゼがクララの手伝いを 受けながら1枚のシャツを掘り起こした。ローゼの手伝いを終えたクララは脇に置いた小箱からハンガーと洗濯ばさみを 拾い上げる。双方手に持つべきものを持ったことを確認すると、そろってゲオルグの所へパタパタと足を鳴らして 戻っていく。はい、と差し出された洗濯物に、ゲオルグは随分手馴れているなと内心で感心していた。 「ありがとう、しかし、いつも手伝っているのか」 「うん、あたし、いつもお姉ちゃんの手伝いしてるの」 「クララもしてるよ」 「そうか、それは偉いな」 洗濯物を受け取りながら、ゲオルグは2人の言葉に目を細める。1度皺を伸ばすように払っていると、2人は次の便のために 洗濯籠へと向かっていった。その後姿を微笑ましく見送ると、ゲオルグはシャツをハンガーで洗濯紐に吊るした。 ゆっくりと上っていく太陽に、洗い立ての洗濯物が眩しく輝く。屋上を吹き抜ける風に、洗濯物は気持ちよさそうに はためいた。今日は洗濯物がよく乾くだろう。 太陽は天頂に達し、思い思いに遊んでいた子供たちは食堂へと集まっていく。その流れに逆らいながら廊下を 進むゲオルグの手には湯気が立ったスープを乗せたお盆があった。 姉の部屋の前に立つ。お盆を片手で支えると、ゲオルグは空いた片手でドアをノックした。間を空けずに、どうぞ、と 声が返ってきたので、ゲオルグはドアノブをまわし、部屋に入った。昼の日差しが差し込む明るい室内は桃色の 小物で小奇麗にまとめられており、女性らしい可愛らしさを感じる。朝は感じる余裕がなかったが、女性の部屋に 入っているのだとゲオルグは実感した。 お盆を持ったままゲオルグはベッドに歩み寄る。ベッドの上の姉イレアナは、上体を起こしてゲオルグを出迎えた。 「体調はどう」 「少し寝たせいか、大分良くなったわ」 「それは良かった」 イレアナの容態が良くなったことに、ゲオルグはほっとする。朝、上気していた顔も、現在は大分赤みが引いている。 熱も下がっているのかもしれない。 安堵しながらゲオルグはベッドの脇の化粧台にお盆を乗せた。 「お昼、シモナ姉さんがチキンスープを作ってくれたから」 「持ってきてくれたのね。ありがとう」 イレアナの笑みにゲオルグは微笑を返す。食事の輸送はこれで終了だ。それじゃあ、と声を交わしてゲオルグは 踵を返す。すると背後から、ゲオルグ、と呼び止められた。何事かと振り返ると、イレアナが口を大きく開けていた。 「あーん」 食べさせてくれ。そういうイレアナの意図をすぐさま理解したゲオルグは呆れ果てる。いい歳して何をやってるんだ。 雛鳥のごとく口を開けたままの姉を無視して、ゲオルグは踵を戻す。背を向けると背後から、待ってぇ、と語尾を 延ばした声がゲオルグを引き止めにかかった。不機嫌さを露にしながらも、ゲオルグは再度振り返る。ベッドの上の 姉は先ほどとは打って変わって口を閉じ、悲しげに眉をひそめていた。 「駄目?」 上目遣いでじっと見つめるイレアナの眼差し。そんなに悲しげな目で見つめられたら、断りきれない。ため息を1つつくと、 ゲオルグは化粧台の椅子に腰を下ろした。心の中でゲオルグは悪態をつく。まったく、女ってずるい。 「今日だけだからな」 「やったぁ」 花が咲いたような笑顔とともに手を広げて喜ぶ姉にゲオルグは思う。この人は本当に病人だろうか。ともあれ 承諾してしまった手前、もう引っ込みはつかない。全てを諦めて、ゲオルグはお盆に乗せたスプーンを手に取った。 未だ湯気が立ち上るスープにスプーンを入れて、スープを掬い上げる。このままでは熱いだろうと、息を吹きかけて 冷ましてやる。ここまで気が回るのはいったい何の性だろうか。自問自答しながらゲオルグは、だんだん自分が 恥ずかしくなった。だが―― そろそろ頃合だろう、とゲオルグは息を吹きかけるのを止めて、にこにこと微笑みながら待っている姉に視線を向けた。 「ほら、あーん」 いたってぞんざいにゲオルグは言う。そんなゲオルグにイレアナは何も言わず笑顔のまま口を開けた。大きく開いた 彼女の口の中にゲオルグはスプーンを差し入れる。程よくスプーンが口内に入ったところでイレアナは口を閉じた。 スプーンを通して伝わる舌の蠕動を感じながら、ゲオルグは閉じた口からスプーンを引き抜く。やや間を空けて、 イレアナは小さく喉を鳴らすと、微笑んで言った。 「美味しい」 ――イレアナの浮かべる幸せそうな微笑み。それを見ていると、ゲオルグは身に降りかかった不条理全てを許せる気になれた。 昼食の時間は過ぎ去り、太陽は緩やかに下降を始める。子供達は思い思いに遊びを始め、ゲオルグはそのお守りを 指示された。転んで膝をすりむき泣き出した子供に絆創膏を張ってやり、玩具の取り合いから始まった喧嘩を割って 入って仲裁してやり、足元にまとわり着いて本を読んでとせがまれれば言われるがままに本を読み聞かせてやる。 次々に起こるトラブルと、次々にねだられる子供達の要求をゲオルグは懸命にこなしていく。目が回るような忙しさの中 ゲオルグが気がついたときには午後3時を回っていた。 3時のおやつというものはこの孤児院でも有効だ。子供達はおやつを食べるべく皆一様に食堂へと向かっていく。 孤児院の幼児用読書室で子供達がいなくなったことの静けさに、ゲオルグはようやく息をついた。 子供達はおやつの賞味中だ。その配膳と後片付けなどを考えれば30分は戻ってこないだろう。ようやく手に入れた 自由時間。ゲオルグはどこかでゆっくりと体を休めたかった。だが、それよりも気になることが1つあった。疲れた足で 向かったところは孤児院の宿泊棟。人気のない廊下を進んだゲオルグは、程なくある一室の前で立ち止まった。 姉イレアナの部屋だ。昼はかなり調子よさそうにしていたが、体調を崩していることには変わりない。姉の様子が 気になってならなかった。 入る前の礼儀として、ゲオルグは当然のごとく戸を2度手の甲で軽く叩く。合板が響く軽い音が静かな廊下に響いた。 そのままの体制でしばしゲオルグは待つ。だが、返事は返ってこない。不審に思いゲオルグはドアを再度、やや強めて ノックする。だが、これも返事が返ってこない。耳を澄ますが物音1つしない。どうしたのだろうか。逡巡したゲオルグは、 程なく失礼を承知でドアノブに手をかけた。そっとドアを押し開いてゲオルグはイレアナの部屋に入る。静まり返った室内を進み ベッドに歩み寄れば、果たしてイレアナはベッドの上で静かに眠っていた。 眠っていただけか。イレアナの寝顔にゲオルグは安堵の息を漏らす。途端に、疲労がゲオルグを襲い、体が急に重たくなった。 おぼつかない足取りのゲオルグは、傍の化粧台の椅子に腰を下ろした。大きなため息をついたゲオルグは、そのまま特に 見るものもないので、イレアナの寝顔をぼんやりと眺める。かすかに聞こえる呼吸音を聞きながら、穏やかなイレアナの寝顔を 見ていると、どういうわけかゲオルグもまた穏やか気持ちになれた。ほのかに香るイレアナの香りにかつてその胸元に 逃げ込んでいた頃の記憶が刺激されたのか、どうしようもないほどの眠気がゲオルグを襲う。抗うことを早々に放棄した ゲオルグは5分だけ、と心の中で言い訳をして、瞳を閉じた。 眠りの中、ゲオルグはイレアナに抱かれる夢を見ていた。どうしようもない無価値感に苛まれ、イレアナを頼ったころの夢だ。 夢の中でゲオルグは当時と同じ少年に回帰していた。身を包む暖かさに、鼻腔をくすぐる甘い香り。そして何より頭を優しく 撫で上げる手の心地よさ。ゲオルグは至福だった。 だが、ちょっとまて、何かおかしくないか。どことない違和感が、幸せに浸っていたゲオルグを呼び起こす。辺りに漂う姉の匂いに 問題はない。頭を撫でる手の温もりは確かだ。だか、姉はどこだ。どういうわけだか、傍で優しく抱いてくれているはずの姉が見えない。 途端にゲオルグは理解した。これは夢だと。それから後は早かった。根底が否定された至福の世界はたちまち崩れ落ち、掻き消えていく。 夢は終わり、覚醒へ。掻き消えた夢と入れ替わるようにして視界に光が差し込んでいく。眠りの底から急浮上したゲオルグの意識は、 そのままの勢いで眼を開かせた。 最初にゲオルグの目に飛び込んできたのは白い布の塊だった。次に感じたものは体の違和感。どういうわけか膝をついた状態で、 柔らかい何かに己は突っ伏している。息とともに吸い込んだ空気は女性特有の甘い香りがする。そして――なでなで。何者かに頭を 撫でられている。 「あら、起きた」 上から声が降ってきたので顔を上げると、上体を起こしたイレアナが優しげな微笑を浮かべていた。なでなで。ゲオルグの頭を 撫で上げるこの手の主もイレアナのようだ。 ここまでしてようやくゲオルグは現状を把握した。寝ぼけていたのか、どうやら自分は姉のベッドに突っ伏した状態で眠ってしまった らしい。そしてどうやら先に起きたらしい姉に頭を撫でられているのだ。姉に恥ずかしいところを見られた。慌ててゲオルグは背筋を 伸ばすと、頭に乗せられた手をふるい落とそうとする。だが、軽く頭を振るうと、イレアナは悲しげに眉をひそめた。 「撫でられるの、嫌?」 嫌……じゃない。むしろ心地良い。この心地良さを断れない自分がゲオルグは悔しかった。だが、だからといってゲオルグは 自分が、もっとして欲しい、と臆面もなく言える年齢だと思っていない。己の欲求とプライドで板挟みになったゲオルグは、 気恥ずかしさで視線を脇にそらしたが、頭はなすがままに任せた。そんなゲオルグにイレアナは、ふふっ、と楽しげな声を漏らす。 「ゲオルグは頑張り屋さんだもの、ご褒美を上げないとね。でも、その前に――」 やけに中途半端なところで言葉を止めると、イレアナはゲオルグの頭を撫でていた手のひらの動きを止める。何をするつもり なのだろうか。イレアナの行動を訝しみながらゲオルグは急に動きを止めた腕を見つめる。イレアナは手のひらをゲオルグの 額まで滑らせると、中指を折り曲げて親指に引っ掛けた。1~2秒溜めて、イレアナは中指を弾いた。弾かれた中指はゲオルグの 額とぶつかり、コツン、と音を立てる。つまりはでこピンだった。しかし、なぜでこピン。やはり、女性の部屋に黙って入り込んだのが 悪かったのか。突然のでこピンに、驚きのあまり硬直するゲオルグに、イレアナは弾いた箇所を指先でさすりながら、唇を尖らせる。 「無理しちゃ駄目って言ったよね、ゲオルグ」 確かにそんなことを言っていたな、とゲオルグは朝の会話を思い出す。特に気にも留めていなかったが、それが理由で 自分はでこピンされたのというのか。思いもよらぬ理由に唖然とするが、それでも納得がいかず、ゲオルグは食い下がる。 「別に無理なんかしていない」 「嘘、顔に出てた。疲れてる、って」 そんなに自分は疲れた顔をしていたのだろうか。自分では確認できないところを付かれ、戸惑うゲオルグにイレアナは 言葉を続けた。 「それに、疲れてない人は居眠りなんかしないわよ」 言いながら、イレアナはゲオルグの額を2~3度突っついた。流石のゲオルグも、これには何も言えなかった。ただ俯いて、 押し黙る。そんなゲオルグにイレアナは笑いかけた。 「疲れたら、疲れたって言っていいのよ。ゲオルグ」 幼子に言い聞かせるように、イレアナはゲオルグの瞳を覗き込む。イレアナにここまでされれば、ゲオルグは頷くしかなかった。 「分かった」 「良く出来ました。はい、ご褒美。良い子、良い子」 不承不承頷くゲオルグの頭を、イレアナは満面の笑みで撫でる。イレアナに頭を撫でられながら、ゲオルグは何か 釈然としないものを感じていた。何だろう、男として何か大切なものがなくなった気がする。えもいわれぬ喪失感に、 心の奥底で燻る言葉にもならない不満のような何か。思考の隅でちらつくわだかまりをゲオルグは感じたが、頭を 慰撫する心地良い手のひらの感触と、幸せそうなイレアナの顔を見ていたら、そんなことはどうでもよくなった。 そのままゲオルグは頭を撫でるイレアナの手のひらに身を任せていた。だが、程なく重要なことを思い出し、 心地良さで細めていた目を見開いた。そうだ、無断進入のことを謝らないと。 「姉さん」 「えっ、何」 改まった面持ちでゲオルグが顔を上げると、イレアナは驚いたようで、撫でていた手を離した。姉を戸惑わせて しまったことに罪悪感を深めつつ、ゲオルグは頭を下げる。 「勝手に部屋に入ってすまない」 俯いたまま待っていると、頭に手のひらの感触が戻る。そのまま――なでなで。頭を撫でられた。はっとして 顔を上げると、イレアナは可笑しげに微笑んでいた。 「そんなことだったの。別に気にしなくていいのよ」 許されたことにゲオルグはほっと息を吐く。そんなゲオルグにイレアナは、それにね、と言葉を続けた。 「起きたときゲオルグがいて、お姉ちゃん、とても嬉しかったのよ」 嬉しい?とゲオルグは思わず聞き返す。たとえ姉弟の間柄であれ、イレアナは妙齢の女性に違いないのだ。 勝手にプライベートを侵犯されれば、いい顔なんてしないのでは。そんなゲオルグの当惑にイレアナは笑顔で 返答する。 「うん、嬉しかった。だって、1人っきりで部屋にいるのはとてもとても寂しいもの。そこに誰かいれば、ただいてくれれば、 それだけで安心出来るのに、でも誰もいない。それってすごく悲しいことだと思うの」 穏やかに話していたイレアナの声が、悲しげに震える。イレアナの言葉につられるように、この部屋の中でポツンと 1人ベッドに横たわる彼女の姿を想像したゲオルグは、どうしようもなくやるせない気持ちになった。その悲しみは 顔にまで出ていたらしい。ゲオルグの表情の変化に気づいたイレアナは、にっこりと花の咲くような笑みを浮かべた。 「だからね、目が覚めて、すぐ傍でゲオルグが眠っているのを見たとき、お姉ちゃんはね、すっごく嬉しかったの」 ゲオルグの頭を撫でながら、イレアナは呟く。ありがとね、ゲオルグ、と。イレアナの微笑みにゲオルグは胸の奥で 燃えていたやるせなさが救われた気がした。いや、気ではなく、自分が彼女を救ったのだ。そう実感すると、なんだか とても誇らしい気分が半分、残り半分はなぜかどうしようもなく恥ずかしかった。だからついついゲオルグは視線をそらす。 するとイレアナはそれが可笑しいのか、ふふっ、と声に出して笑った。何が可笑しい、とゲオルグは不愉快な気持ちをこめて イレアナを見つめると、イレアナはばつが悪そうに微笑んだ。ゲオルグの頭を撫でる手が優しげなものから、慰撫するようなものに 調子を変える。 「ごめんね、よしよし。でも、別にゲオルグが可笑しくて笑ったんじゃないのよ。」 どうだか、と心の中で呟いて、ゲオルグは姉をにらむ。イレアナは微笑を浮かべたまま言葉を続けた。 「ただ、ゲオルグって昔と変わらないなぁ、って思っただけよ」 思っても見なかった言葉にゲオルグは方眉を吊り上げた。自分は昔と変わらない。本当にそうなのだろうか。 己の半生を軽く振り返える。昔は守るべきもののため、ない力を振り絞り、精一杯背伸びをし続けていた。 だが今ではどうだろうか。己の体躯と力は見違えるほど大きくなり、背伸びをする必要がなくなったため、 しっかりと地に足をつけた考えが出来るようになった。つまり成長したのだ。だから、今の自分は過去の 自分とは同じ線上には存在すれど、明確に異なっている。そうゲオルグは思えた。だからゲオルグはイレアナの 昔と変わらないという言葉が理解できなかった。どこが変わらないのか、どこが昔のまま成長していないのか。 訝しむゲオルグに、イレアナは笑いかける。 「覚えてる? 私たちがすごく小さかった頃のこと。ゲオルグはそうね、まだ学校に通っていなかった頃かな」 記憶の大逆行を迫られ、ゲオルグは当惑する。流石に幼少の頃となれば記憶は大分あやふやだ。無理に 引っ張り出そうとするが、思い出は楽しかった、暑かった、といった漠然とした印象しか思い出せない。いや、あんまり、 とゲオルグが言葉を濁すと、イレアナは少しだけ残念そうに眉を下げた。それでもすぐにイレアナは気を取り直したように 話を続けた。 「じゃあ、そのころお姉ちゃんはとても体が弱くて、何かあるとすぐ熱を出して寝込んじゃう病弱さんだった、 てことは覚えてる?」 イレアナの言葉に、記憶の鍵がぴたりとはまったのか、今度はゲオルグも思い出せた。確かに当時のイレアナは 体が弱く、やれ遠足だの、やれ運動会だの、やれテストだの、なにかイベントがあるたびに、体調を崩し寝込んでいた。 テストは別にしても、遠足や運動会は兄姉達がそろって楽しみにしていただけに、可愛そうだと思ったことが印象に 残っている。 「その頃はね、寂しかったし、苦しかった。でもそれ以上に悲しかった」 イレアナの湛えていた笑みが消える。当時を思い出したのか、その表情は痛々しいほどに悲しげだ。イレアナの 吐露は終わらない。 「同じ部屋の皆は楽しそうに遠足に行ってるのに、私だけ部屋に1人ぼっち。耳を澄ませば、外から弟妹達の声が 聞こえるけども、それは壁の向こうで全然届かない。まるで私だけ世界から捨てられた気がして、私だけ世界から 拒絶された気がして、だからお姉ちゃん、すっごく悲しかった」 当時のイレアナを想像し、ゲオルグもまた悲しい気持ちになった。悲痛に歪むゲオルグの顔に気づいたらしいイレアナは、 それまでの悲しみを打ち消すように顔をほころばせた。 「でもね、そんなとき、いつもゲオルグがきてくれた。それでね、ずっと傍にいてくれた。1日中ずっと。お姉ちゃん、 すっごく嬉しかったなあ」 嬉しそうに話すイレアナの思い出を聞きながら、ゲオルグはかつて自分が行った献身的な看病の理由を思い出した。 たまたま当時のゲオルグは保健係であり、それも学校に行かない幼児組の保健係の中で最年長だったため、院長から イレアナの看病を命令されたのだ。看病とは何をすればいいのか。何も知らぬ当時のゲオルグの問いに院長は答えた。 ずっと傍にいてあげることだよ。当時のゲオルグは愚直さのあまり、それを言葉通り解釈した。かくしてゲオルグは イレアナが体調を崩すたびに、丸1日彼女の傍に付き添ったのだった。他の兄弟と遊べなくて残念、という当時の 率直過ぎる感想をゲオルグはイレアナに伝えるべきか迷う。逡巡した後ゲオルグは言うのを思いとどまった。 思い出は美しいほうがいい。つまらないことで思い出を傷つけるのは野暮なものだ。 「ありがとうっていうと、恥ずかしそうに目をそらすの。あの頃とちっとも変わらないのね」 可笑しそうにイレアナは微笑む。記憶にない過去を晒されたゲオルグは、恥ずかしくなって視線をそらした。 これではドツボだ。ゲオルグは思うが、恥ずかしさには耐えれない。ふと、ゲオルグの頭を撫でていたイレアナの 手のひらの動きがまるで慰撫するかのように小刻みなものに変わる。 「恥ずかしかったのね、よしよし。でもねゲオルグ、そんな照れ屋なとこもお姉ちゃんは好きよ」 微笑とともに投げかけられたイレアナの言葉に、ゲオルグは自分の耳まで熱くなったように感じた。恥ずかしさのあまり 押し黙ったゲオルグに、イレアナはふふっ、と笑いかける。ゲオルグの頭を撫でる手の動きが、また優しく穏やかな 動きに変わった。 「ありがとね、ゲオルグ。いろんなことしてくれて。お姉ちゃんね、ゲオルグにはすっごく感謝してるのよ」 「そんなことない」 照れ隠しで、ゲオルグはイレアナの言葉を否定する。そんなゲオルグにイレアナは優しく言った。 「ううん、してくれたよ、いろんなこと。頭に乗せたタオルがぬるくなったら取り替えてくれたし、お姉ちゃんが暇だって 言ったら絵本を持ってきてくれた。ご飯だって食べさせてくれた。それにね」 イレアナが、ゲオルグの頭を撫でていた手の動きを止める。全てを忘れたかのようにうっとりと微笑んで、 イレアナは続けた。 「ぎゅっ、てしてくれた」 「ぎゅっ?」 出し抜けに現れた擬態語の意味がわからず、ゲオルグは聞き返す。 「手のひらを手でぎゅっ、て。眠っても調子は悪くなるばかりで、それでもう駄目なんじゃないかって思って、 すごく不安になるときがあったの。辛くて、苦しくて、とてもとても心細かった。だから、傍にいてくれるだけじゃ 我慢できなくて、お姉ちゃんね、手を伸ばしてゲオルグに頼んだの。ぎゅってして、って。そしたらゲオルグは 嫌な顔ひとつせずに手をぎゅって握ってくれた。お姉ちゃん、1人じゃないんだなって思って、すっごく安心したなあ」 思い出を呟きながら、イレアナは嬉しそうに目を細める。イレアナの幸せそうな顔に、ゲオルグは過去の自分を 褒めたくなった。偉いぞ。心の中で呟いて、ゲオルグもまた頬を緩ませた。動きを止めていた手が、またゲオルグの 頭を撫で始める。その心地よさにゲオルグは目を細めて、イレアナの手の動きに身を任せた。 イレアナに頭を撫でられゲオルグはこの上なく幸福だった。この時間が永遠に続けばいいのに。柄にもなく ゲオルグは思う。だが、何気なく覗いた腕時計がゲオルグに現実を教えた。時刻はそろそろ4時になろうとしている。 長居のしすぎだ。己の失敗に心の中で気落ちしながら、ゲオルグは立ち上がる。頭から離れるイレアナの 手のひらが名残惜しい。 「すまない、もう行かないと」 ゲオルグの言葉にイレアナは、そう、と呟いて肩を落とした。イレアナの残念そうな姿に、ゲオルグも胸を痛める。 そのままゲオルグは別れの挨拶を切り出そうとしたところで、イレアナな顔を上げた。 「じゃあ最後に1つお願い、いいかな」 「何?」 ゲオルグが聞き返すと、イレアナは手を伸ばした。 「ぎゅっ、てして」 手を握ってほしい。そんなイレアナの願いにゲオルグは微笑んで頷く。今度はこちらの番だ。今まで貰い受けた 温もりの感謝をこめて、ゲオルグは両手でイレアナの手を包む。するとイレアナは嬉しそうに微笑んだ。 「一緒。あの頃と」 イレアナの呟きに微笑を返すと、ゲオルグは手に力をこめた。 ゲオルグにとって過去の自分は弱者の象徴だった。だから成長しなければ、自分を変えていかなければ、と ゲオルグはいつも思っていた。だが今ゲオルグは思う。変えてはいけないものもある、と。イレアナを想う この気持ちだけは絶対に変えてはいけない。手のひらを通して伝わるイレアナの温もりを感じながら、 ゲオルグはそう決意するのだった。 夕日で赤く染まった孤児院の門をゲオルグはくぐる。長かった孤児院の手伝いもようやく終わったところだ。 これからさらに夜勤があることを考え、ゲオルグの気はめいる。だが、落ち込んだ気持ちに気づいたゲオルグは、 しっかりしろ、と自分を鼓舞しながら帰り道を歩いた。 孤児院の塀に沿ってゲオルグが歩を進めていると、角から現れた2人の人影が声を上げた。 「あ、お兄ちゃんだ」 上がった声は爛漫そうな少女の声だ。 「モニカと――」 人影の片方はハイスクールの制服に身を包んだモニカだった。目を輝かせた彼女をそのままに、ゲオルグは その背後に立つもう1人の人影に視線を向ける。 「――ドラギーチか」 ドラギーチはゲオルグの視線を嫌がるように半歩後ろに下がった。ゲオルグ達への嫌悪感は未だに健在なようだ。 ドラギーチのあからさまな拒絶の態度に気づいていないのか、モニカはゲオルグに歩み寄ると口を開いた。 「こんなところでどうしたの」 「ああ、姉さんが倒れたから孤児院の仕事を手伝ってくれと言われてな」 「そうなんだ。朝、大変だったもんね」 納得したように、モニカは繰り返し頷く。程なくモニカは何かに気づいたように顔を上げた。 「ねえ、お兄ちゃん。あたしが倒れたら、お兄ちゃんはきてくれる?」 「見舞いくらいなら行くが、それがどうかしたのか」 ゲオルグの言葉にモニカは笑顔を作った。 「ううん、なんでもない。ただ聞いただけ」 じゃあね、とモニカは別れの挨拶を告げる。ゲオルグもそれにあわせて片手を挙げると2人の脇を抜けて家路に着いた。 ページ最上部へ
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パーシェ:イデアの妹分。11歳。ふわふわとしたオリーブ色の髪と、同じ色の目が特徴の少女。生まれつき後頭部にぎょろりとした真っ赤な眼がひとつあり、神の祟りと恐れた両親によって捨てられた。普段は毛糸の帽子で隠しており、人前で帽子を取ることを嫌がる。大人しい性格。 レティ・レア:イデアの妹分。14歳。褐色肌が特徴の少女。義父と実母に虐待を受けており、見世物小屋に売り飛ばされそうになったところを引き取られた。一人が嫌いで大勢でいるのが好き。体中に傷があるが、あえてそれをさらけ出すような服を好んで着る。特技は大道芸。 ギリー:イデアの弟分。10歳。日焼けした肌といたるところにある擦り傷切り傷絆創膏が特徴のやんちゃな少年。月の満ち欠けに応じて目の色が変わる特異体質。紛争で家族を失ったため、年上の人に懐く傾向がある。イデアを慕っており、いつか自分も刑務所で働くと意気込んでいる。 アンジェリア:イデアの妹分。アルジェントと双子でともに6歳。共に銀髪青目。アンジェリアは引っ込み思案で泣き虫。ウサギのぬいぐるみを肌身離さず持っている。家が貧しく食うものにも困る生活で、両親が苦渋の決断で二人を孤児院に預けた。 アルジェント:イデアの弟分。アンジェリアと双子でともに6歳。共に銀髪青目。アルジェントはやんちゃで悪戯好き。クマのぬいぐるみを肌身離さず持っている。家が貧しく食うものにも困る生活で、両親が苦渋の決断で二人を孤児院に預けた。
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amazonで探す @楽天で #14ヶ月+妻が子供に還っていく を探す! 月22日テレ 2003.07.07~2003.09.08 7.4% 公式HP wikipedia 前 ナイトホスピタル~病気は眠らない~ 次 ライオン先生 Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 2003/07/07 10.8% 2 若返りは決して幸せじゃない 2003/07/14 8.2% 3 君が消えるひとりぼっちの夜 2003/07/21 7.5% 4 僕が出会う見知らぬ君…私17歳 2003/07/28 7.1% 5 ごめん裕子今の君は抱けない 2003/08/04 5.7% 6 花嫁は9歳叶わなかった結婚式 2003/08/11 6.4% 7 飲みほした薬…これが僕の愛 2003/08/18 6.3% 8 2人だけの逃亡…最後の誕生日 2003/08/25 6.9% 9 お母さん…ごめんね私が裕子よ 2003/09/01 6.4% 10 やっと会えたね…最後の再会 2003/09/08 8.3%
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502 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 01 05 38 [ aAKHXRkQ ] いやいや妖夢。気持ちは判るが、さすがに「何百」だぞ? 何人とかならまだともかく。 それに凡そ普通(?)の村社会やってんだろう幻想郷で、あまつさえ慧音の所に子供捨てようもんなら 即刻親の身元がバレてこっぴどく説教食らうのは目に見えてる。筈。 あまつさえそれらが碌に分別もついていない赤子達でないという保証は無い。 つまりそれらの点を踏まえ、 495の至言とはこう解釈するんだ。 ・その年は酷い旱魃で作物が碌に取れない ・食い扶持に困った村人がいらない子供達を慧音に押し付ける ・心中で激昂する慧音、しかし村人達の立場を鑑み、あえて何も言わない (……私は、守る者だから。人間が好きだから) ・自分が率先して子供達に向き合う態度を見せれば、人間達も改心するだろうと考える ・村外れにある大きめの小屋を借り、何百人もの捨て子達と生活を開始 ・しかし…… 文才ないから箇条書きにしか出来ないが これ以降の展開をとびきり酷く書いてくれる方がいたら慧音大好きの俺はもう失禁する 503 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 08 14 08 [ 9y7kAwIc ] 慧音は悩んだ。 いくら子供たちのためとはいえ、口減らしのために捨てられた子のために 村の穀物を使ってやるわけにはいかない。 そんなことをすれば、本末転倒であるとして村人たちが怒りだすだろう。 協力者を探すしかない。 霊夢、だめだ。彼女はこと食い物に関しては助けにならない。 レミリア、論外だ。こちらが食糧にされてしまう。 永遠亭、妹紅の敵だから仲悪いしプロフェッサー八意が何をするかわかったものではない 「それで、僕のところに来たわけか」 霖之助は大勢の子を従え、前に後ろに子供を抱いた慧音を前に頭を抱えながら言った。 「ひ、引き取ってくれというわけではないんだ。ただこの子たちが冬をこせるだけの 食べ物を売ってくれれば、一年だけでもいいんだ、お代は、その―」 慧音の目には哀願の色に加えて、躊躇と逡巡がありありと浮かんでいて・・・ 「・・・わかった。引き受けよう」 翌年、一回り大きくなった子供たちの中に 青と銀色の二色の髪をした赤子が混じっていたが、誰も気にとめなかった。 木を隠すなら森の中だ。 505 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 09 57 23 [ Gnasy6ls ] 503 えーと? それはつまりこーりんとけーねの間に子供ができたんだね? この話のさらに一年後…子供の髪の色のことで魔理沙と霊夢などに追求され渋々話した。 彼女達に泣かれたりしたがけーねを交えて今回の事と今後の事について話しあった。 その結果… Aノーマルエンド Bテゥルーエンド Cグッドエンド Dバットエンド E隠しエンド(ハーレムエンド) (各ルートの内容は各自の想像でお願いします。) 494 それってドラえもんの道具の効果でそんなのがあったなー あと銀河系がビーダマにというのは、MIB?だったな。 506 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 10 11 45 [ 9y7kAwIc ] うんにゃ 子供たちは知っていた。 冬の間、慧音が毎週決まった日に化粧をして出かけていくのが 自分たちの食い扶持を支払うためであったことを。 やがて子供たちは慧音に迷惑をかけまいと自分たちで食糧を探してくるようになった。 子供の貧欲な学習能力が、サバイバルのあらゆる技術を短時間で身につけさせた。 子供たちはやがて妖怪たちをも狩るようになり、幻想郷の全てから恐れられるようになっていった。 子供たちだった彼らは、慧音のことをビッグボスと呼び 自分たちが育った大き目の小屋がある丘をアウターヘヴンと呼んだ 508 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 10 40 42 [ qOXv1akw ] むしろ 事情を知った子供達 血色もよく空腹を訴えなくなったが、日を追うごとに一人減り二人減り 奔走していた慧音が気づいた頃には小屋の裏手に骸の山が。 509 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 10 52 39 [ 9y7kAwIc ] 慧音の子だけ最後にポツンと残されているのか 511 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 17 34 07 [ ODlNVyEU ] 妹紅、この子たちのために一肌脱いでくれ 「えーいやだよ、かったるいなぁ」 お前と違って子供たちは飢えると死んでしまうんだ 「いーじゃんまたポコポコ生まれるんだからぁ」 私の村の住人にこんな悪癖を植え付けさせるわけにはいかない 「・・・んもぅ、じゃあどうすりゃいいってのよ?」 妹紅、悪く思うな グサッ 「ひぁぁあぁぁあ」 「まんま、まんま~」 はいはい子供たち、よく食べるのはいいことだぞ 「おにく おいちい」 うふふ、見てるか妹紅。おまえの血肉が私とおまえの子供を育てているぞ 「見えてるわよ・・・っつーかリザレクションできるからって肉を・・・ぐぶっ」 513 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 18 44 38 [ dEk8mras ] 512 肝を食べなきゃ大丈夫、、だったけ? 教えてエロイ人。 さあ、ご飯の時間だ 「おなか すいたー」 ふふ、待たせてしまって済まないな 「ごはんごはんー 」 ほらほら、ちゃんと全員の分は有るから、ケンカをしないで並びなさい 「まんま まんま」 お い 霊 夢 、 貴 様 は 何 を し て い る ん だ 517 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 20 47 37 [ dEk8mras ] 515 釣り神様! 釣り神様じゃないか! ――――― 人間と動物の境界は、文化の有無だという。 動物は、狩る、喰らう、殖える―――生きる為に必要な事だけを備えている。 動けぬ仲間を助ける事はしない。 飢えれば共食いもするし、我が子でさえ喰らう。 これに比して人間には、積み上げた文化から生まれた慈愛の心、互助の念といった概念が有る。 だが現実はどうだ。 これが、私が愛し、護ろうとしてきた人間の所業なのか。 慧音は小屋の中を見回す。 自分を中心に、身を寄せ合うようにして震える大勢の幼子達。 立て付けの悪いこの小屋では、既に間近に迫っている冬の寒さを凌ぐには、余りにも頼り無い。 歴史書、教養書、詩集……慧音は手元の書物を炉に投げ入れる。 これらは食べ物と交換できずに残った物。 食料だけでなく燃料も貴重だから、こうして燃やして出来る限り切り詰める。 飢饉に際し、口減らしの為に我が子を捨てる。 人間といえども、暮らしが逼迫すれば文化さえ失い、動物へと還っていくのだろうか。 燃えていく教養書を見ながら、何とも言えない虚しさに胸が染まる。 ただ、生活・採集の為の実用書だけは残した。 無事に冬を越したら、この子供達に生きる術を教えなければならない。 家財道具と衣服は、防寒用の物を除いて全て食べ物に変えた。 それでも大勢の子供達の口をまかなうには絶望的なまでに、足りない。 霊獣ハクタクの角を二本、魔法使いに差し出した。 霊毛とも言える髪を、人形使いに渡した。 私の申し出に彼女達は驚き、躊躇ったが 私が受け取るのを躊躇ってしまう程の、沢山の食料を分けてくれた。 それでも、まだ、足りない。 これ以上、私が差し出せるものといえば――― 慧音は立ち上がる。 不安げに下から見つめてくる幾つもの小さな瞳。 服の袖を掴んで来る幾つもの小さな手。 また捨てられるのではないかと、不安なのだ。 「大丈夫だ。必ず戻って来るから、みんな良い子にしてまっているんだよ」 518 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 21 31 42 [ dEk8mras ] 買い手は、すぐに、大量に見つかった。 里の守護者として知られている慧音。 そういった畏敬の念や、半人半獣である事を、時々ふと忘れてしまう程に、この娘は凛々しい美しさを備えていた。 慧音の姿を見る為に、彼女が開いている寺子屋に顔を出す若者も少なくない。 だが純朴なこの娘は、そのような邪な若い衆の視線に気づく事も無く 教養を身に着ける事は良い事だと、嬉々として講義をしていたのだった。 その慧音が、男に体をひさいているという。 「あの慧音様が……。」 ただでさえ飢饉で鬱屈としていた里の男達である。 「あの慧音様を……。」 なにか、神聖なものを汚す様な背徳感に、誰もが顔を紅潮させて生唾を飲み込む。 下腹部にたぎる熱い泥の様な欲望を、誰も抑えられようはずが無かった。 * 「ほんとうに…動物と、大差が、無い、ものだな…」 自分の全てを、手放してしまった。 もう、自分には、本当に何も残っていない。 食料が詰まった大きな麻の袋を担ぎ、慧音は灰色の雪空を飛ぶ。 途切れそうになる意識が、痛みで身体に引き戻される。 やがて、力無い足取りで、子供達の待つ庵に辿り着いた。 「済まなかったな、みんな。 待たせてしまった…」 こんな事は経験が無かったから、思っていたよりもかなりの時間がかかってしまった。 戸口を開けた慧音の姿を見て、子供達の沈んでいた表情が、灯りをともしたように明るくなった。 おかえりなさい、そう口々に叫びながら、子供達が慧音の身体に飛びついてくる。 受け止めきれずに尻餅をつく慧音を、幾つもの幼い笑顔が取り囲んでいた。 ああ、そうか。 私は全てを失ってなどいなかった。 こんなにも沢山の、命と笑顔に、囲まれているじゃないか――― 527 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/11(水) 02 00 24 [ 3IDTKLVc ] 518の食料運搬途中で妖怪群に遭遇 ↓ あれれ、角と髪を売っちゃったから力が無いから力が出ないよママン ↓ ボコられる ↓ 命辛々脱出(妖怪群はわざと逃がした) ↓ 庵の子供達は先程の妖怪群が完食済み ↓ 慧音絶狂 ↓ その現場を村人達が目撃、誤解 ↓ 子供達を守れなかった自責の念から放心状態の慧音を村人全員で罵倒、吊るし上げ まで書いたのだが、これ以上は危険でしゅうかOTL 733 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/01(水) 00 09 45 [ lKnOhsWA ] 518 その後慧音は心身共に疲弊しきっていた。 もはやただの人間と変わらぬほど、その力は衰えきっていた。 そこに空腹なルーミアは現れた。 その日も当てもなく人間を探し夜の闇を彷徨っていた所に運よく、慧音の帰りを待つ子供を見つけ舞い降りてきたのであった。 彼女は生命として本能に忠実に空腹を満たすという目的のために動いている彼女に慧音の静止の声も子供たちの抵抗も全く無意味であった。 その後その庵から肉食獣が獲物を貪り喰らう咀嚼音だけが鳴り響いた・・・その音を掻き消すかのように外はより一層強く吹雪いていた。 しかしこれも生きる為に必要な事、彼女はただ生きるために狩り、喰らっただけ誰もルーミア責める事など出来はしない。